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横須賀に県政の光を
神奈川県議会議員

井坂しんや

いさか 新哉

活動日誌

代表質問 ~原子力艦の災害対策について~

2016年6月5日

今日は、原子力艦の災害対策についてです。

 この問題は、これまでも議会で取り上げてきましたが、3月30日に、原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会が5回にわたる検討の結果、見解を取りまとめました。
 その検討の中で特に注目されたのが、事故があった場合に対応するための範囲である応急対応範囲等の検討についてでした。
 検証作業委員会は、検討の中でスケーリングによる試算方法を採用しました。このスケーリングによる試算では、福島第1原発と原子力空母の原子炉内の放射性物質の蓄積量を比較し、その比率から、避難の範囲を定めようとするもので、原子力空母の「避難を実施する範囲」を半径1km、「屋内退避を実施する範囲」を半径3kmとする見解を示しました。

 しかし、この試算の仕方は、従来、原発などで行われてきた避難計画を作るための試算の仕方とは違います。従来は、原子炉の構造を把握し、どのような事故が起きるのかという事故想定をし、事故が及ぼす影響や被害状況を踏まえて避難計画などを策定するというものです。
 結局のところ、原子力空母の原子炉の構造や米軍の災害時の対応などが軍事機密で、日本では知ることができないために採用された手法であり、決して最悪の事故を想定した場合の対応を検討したものではありません。
 見解の後半では、「なお、実際の事故発生時に影響が及ぶ範囲は、応急対応範囲より狭いことも広いこともある。このため、応急対応範囲の外であっても、新指針と同様に対処していくことをマニュアルに明記すべきである。」と書かれており、事故が起きた場合の対応として十分な範囲とは言えないものと述べています。

 私たちは、このような避難範囲の設定ではなく、最悪の事故を想定した防災計画、災害対策マニュアルを作る必要があると改めて指摘しました。

知事の答弁では、「様々な観点から総合的な議論がなされたと承知しています。」「国の責任において福島原子力発電所事故の最新の知見と原子力艦固有の原子炉の特性を踏まえて示されたものと受け止めています。」と述べ、この見解に疑問も示さないと同時に受け入れる姿勢を表明しました。

私は今回の見解について、本当に疑問に思うのは、市民感覚に照らしてこのような結果で本当にみなさんが納得するかということです。横須賀市では、これまでの原子力艦に対する応急対応範囲は、市内全域(約半径10km)となっていました。
 今回の検証作業委員会の見解では、応急対応範囲が小さくなる可能性もあるわけです。
 もし、モニタリングポストで5マイクロシーベルトの値を感知した時に、半径3kmより外の方がどう反応するでしょうか。その方たちが自ら避難を始めたら、それこそ大きな混乱が起きるのではないかと危惧します。

 私たちは、地域防災計画をつくる際には、事故が起きた場合の対応として十分な範囲を設定する必要があると指摘しましたが、知事は、「県としては国のマニュアル改定の動向を踏まえ、横須賀市と連携して地域防災計画の改定など必要な対策の充実をはかっていきます。」
と述べただけでした。

 これでは、原子力艦の原子力災害対策としてあまりにも不十分であり、県民、国民の安全を守ることはできません。
 引き続き、原子力艦の配備を撤回させるために取り組むとともに、原子力災害対策の充実を求めていきます。